JR東日本車両【E233系】について解説!



>JR, E233系の乗務員室は衝撃吸収構造を採用しています。
なので、他の運転席に比べて乗務員室スペースが広く確保されているのです。
(わからんという方はぜひ小田急線の一番前か後ろに乗ってみてください!広いから!)


>踏切事故対策として、運転台や運転士用の座席をE231通勤タイプよりも 185 mm 高くした高床構造を採用しており、
従来の車両よりも前が見やすくなっています。しかし常磐緩行・東京メトロ千代田線の車両(E233系2000番台)は
通常の広さで、高床構造ではないのです。


>計器盤は計器類・表示灯を廃止し、これらを3枚の液晶モニタに表示するグラスコックピット構造にしました。
主幹制御器(車でいうハンドル)は左手操作式のワンハンドルマスコンです。


前面ガラスのワイパーは常用の2本式(2000番台は1本)に加えて補助ワイパーを設置し、
故障時には切り換えることで補助ワイパーを使用することができます。
乗務員室背面の仕切部は運転席背後を「非常救出口」とし、中央に遮光幕付きの大窓、右端に仕切扉窓を設置しました。




乗務員室を広くすることによって1両あたりの収容人数が減ってしまうのではないかと疑問を持ちましたが、
広いのには理由がありました。



それは、「クラッシャブル構造」を採用しているからです。



クラッシャブル構造とは、その仕組み上あえて潰れやすくつくってあるところを指します。
万が一の事故時に、衝突部がクラッシャブル構造の対象となる部分であれば、
その部材が変形することで衝突時のエネルギーを効果的に吸収し、かつ、他の構造材へと伝えて分散する役割を持っています。

1992年4月、成田線で起きた大菅踏切事故(踏切内にいたダンプに衝突し運転士死亡、乗客65名死傷)を教訓に開発されたもので、
踏切を通る路線に所属するE217系、E231系近郊タイプなどにも採用されています。
一方ほぼ全線高架で踏切を通らないE231系通勤タイプ(山手線や総武線各駅停車)などには採用されませんでした。
路線の特性にあわせて運転室をクラッシャブル構造にするかどうかが決められています。



電車を動かすには客以上に運転士さんが大事ですからね。

事故が起きても被害を抑えるように車両も最大限の工夫がほどこされているなと感じました。

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